秋雨や台風のあとの週末は、小雨の中でラウンドする日も多いですよね。そんな日によく聞くのが「今日は全然飛ばない」という声です。
でも、雨の日のボールは「いつも飛ばない」わけではありません。ドライバーは短くなりやすい一方で、アイアンやラフからは逆に飛びすぎることもあります。この記事では、雨の日に飛距離が変わる理由と、番手選びで気をつけたいポイントをまとめます。
1. 濡れたボールは、ドライバーで大きく飛距離を落とす
米ゴルフダイジェスト誌が、スイングロボットで乾いたボールと水をスプレーしたボールを打ち比べるテストをしています(ドライバー10.5度、ヘッドスピード毎時95マイル、新品のプレミアムボール)。
その結果、ストレートの当たりで、濡れたボールは乾いたボールより約15ヤード短くなりました(227.1ヤード対242.5ヤード)。フェードでは約14ヤード、ドローでは17ヤード以上短くなっています。濡れたボールはスピンが増えて弾道が低くなり、左右のブレも大きくなりました(出典:Golf Digest「Does a wet ball cost you distance off the tee?」)。
ティーショットの前は、ボールをしっかり拭く
ティーアップする前のボールは、まだインプレーではないので自由に拭けます。同じテストの記事でも、ドライバーの前にボールをしっかり乾かし、雨の中ではティーアップしたら素早く打つことがすすめられています(出典:同上)。タオルは濡らさないよう、ビニール袋やキャディーバッグのフードの中にしまっておくと安心です。
2. アイアンは逆に「飛びすぎる」ことがある
同じテストで、5番アイアンの結果はドライバーと反対でした。ストレートの当たりでは、濡れたボールのほうが5ヤード以上遠くまで飛んでいます(187.5ヤード対182ヤード)。スピンが減って、低く強い弾道になったためです。ただしドローでは弾道が低くなりすぎて、乾いたボールより短くなりました(出典:同上)。
ボールとフェースの間に水や芝が挟まってスピンが減り、飛びすぎてしまう現象は「フライヤー」と呼ばれます。ゴルフ総合サイトALBA Netでは、フライヤーが起きるとキャリーが10〜20ヤードほど伸び、ランも長くなるとしています。雨上がりで芝に水滴が残っているときは、フェアウェイでも起きる可能性があるそうです(出典:ALBA Net「ゴルフのフライヤーとは?」)。
濡れたラフは「短くも長くもなる」
濡れたラフでは、芝の抵抗でボール初速が落ちて短くなることもあれば、スピンが減ってフライヤーになることもあります。つまり、距離の幅が乾いた日より大きくなります(出典:GOLF DNA「濡れたラフでは、なぜ飛距離が読みづらい?」)。グリーン奥がトラブルになるホールでは、手前から攻めるのが安全です。
3. 濡れた地面ではランがほとんど出ない
雨で芝や地面が濡れていると、ボールが着地したあとに転がりません。全体が濡れている条件では、ランはほとんど期待できない場合もあります(出典:GOLF TRIGGER「スコアアップのために飛距離とランを科学で考える」)。
ふだん「キャリー+ラン」でトータル距離を考えている人ほど、雨の日は短く感じやすくなります。名手トム・ワトソンも、雨の日のクラブ選びは「ランではなくキャリーで考える」とアドバイスしています(出典:Golf Digest「Tom Watson's best golf tips for playing in the rain, wind and cold」)。
4. 寒さとレインウェアもスイングに影響する
秋から冬の雨は、気温の低さも重なります。気温が下がるとボールのコアが硬くなって反発が落ち、飛びにくくなるとされています(出典:GOLF TRIGGER)。湿度や気温がボールに与える影響は、湿度と気温がボールに与える影響でも解説しています。
レインウェアを着ると、体の回転が少し窮屈に感じることもあります。トム・ワトソンは、雨の予報が出ている日はロッカールームでレインウェアを着て、その格好で練習しておくことをすすめています(出典:同上のGolf Digest記事)。濡れたグリップやグローブは、つい強く握ってしまう原因にもなります。替えのグローブやタオルをビニール袋に入れて持っていきましょう。雨の日の持ち物は雨の日ゴルフの服装|季節別の選び方と持ち物チェックリストにまとめています。
5. 雨の日の番手選び:4つのコツ
- ドライバーは、ボールを拭いてから打つ。いつもより飛ばない前提でルートを考える
- フェアウェイからのアイアンは、低く強い弾道で飛びすぎることがある。グリーン奥が危ないなら控えめな番手に
- 濡れたラフからは距離が読みにくい。ピンではなくグリーンセンターや手前を狙う
- ランは計算しない。キャリーでどこまで運べるかで番手を決める
どの番手でも、雨の日はボールが左右に曲がりやすくなります(出典:Golf Digest)。狙いは広めに取りましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. 雨の日は、どのくらい飛距離が落ちますか?
条件によって大きく変わるので、決まった数字はありません。参考として、米ゴルフダイジェスト誌のロボットテストでは、濡れたボールのドライバーショットが約15ヤード短くなりました。一方で5番アイアンは5ヤード以上伸びています。番手によって逆の結果になる、と覚えておくと便利です。
Q2. フェアウェイで泥がついたボールは拭いていいですか?
基本は「あるがまま」なので、勝手に拾い上げて拭くことはできません。ゴルフ場がボールを拭けるローカルルールを出している日は別です。詳しくは雨の日のゴルフルールをご覧ください。
Q3. 雨の日は、どのボールを使えばいいですか?
テストでは、ボールのカバーによって、濡れたときのスピンの落ち方に差があることがわかっています(出典:MyGolfSpy「Golf Ball Test: Wet Versus Dry Spin」)。ただ、どの銘柄が雨に強いかは条件によるので、まずはいつものボールをしっかり拭いて使うのが基本です。
まとめ:雨の日は「キャリーで考える」
- 濡れたボールのドライバーは、短く・低く・曲がりやすい
- アイアンやラフからは、スピンが減って飛びすぎることがある
- 濡れた地面ではランが出ないので、キャリーで番手を選ぶ
- ボール、フェース、グリップは打つ前にこまめに拭く
小雨なら、コツを押さえれば十分楽しめます。それでも「今日は降りすぎ」という日は無理をしないのがいちばんです。雨量の目安は雨のゴルフは何ミリまでできる?をどうぞ。
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