秋の長雨や台風の季節は、「小雨ならプレーする」という日も増えますよね。そんな日にラウンド中で迷いやすいのが、ルールです。「水たまりにボールが入ったら動かしていい?」「泥だらけのボールは拭いていい?」「キャディーさんに傘をさしてもらいながら打ってもいい?」
この記事では、ゴルフ規則(R&AとUSGAが定め、日本ではJGAが運用しているルール)をもとに、雨の日によく出てくる場面のルールをまとめます。カジュアルなラウンドでも、知っておくと同伴者とのやりとりがスムーズになります。
※ この記事は規則の要点をわかりやすくまとめたものです。正式な内容や細かい条件は、R&Aの公式サイトやJGAのゴルフ規則でご確認ください。また、当日のローカルルールはゴルフ場ごとに違うので、スタート前に必ず確認しましょう。
1. 水たまりは「一時的な水」:罰なしで救済を受けられる
雨でできた水たまりは、規則では「一時的な水」と呼ばれます(以前は「カジュアルウォーター」と呼ばれていました)。
規則16.1では、次のどれかに当てはまると、罰なしで救済を受けられます(出典:R&A ゴルフ規則 規則16)。
- ボールが水たまりに触れている、または水たまりの中や上にある
- 水たまりが、スタンスをとる場所やスイングする場所のじゃまになる
- ボールがグリーン上にあり、グリーンの上や外にある水たまりがパットのラインにかかる
ジェネラルエリア(フェアウェイやラフ)での救済のしかた
- 水たまりの影響を完全に避けられる、いちばん近い場所(完全な救済のニヤレストポイント)を決める
- そこから1クラブレングス以内で、ホールに近づかない範囲に、元のボールか別のボールをドロップする
救済を受けるときに拾い上げたボールは、ふいてからドロップできます(規則14.1c)。
グリーン上の場合
グリーン上では、ドロップではなく、ホールに近づかない完全な救済のニヤレストポイントにボールを「プレース(置く)」します。
「ぬかるんでいる」だけでは救済されない
注意したいのは、地面が濡れている、ぬかるんでいる、やわらかいというだけでは「一時的な水」にならないことです。スタンスをとる前か後に水が見えていることが条件で、足で強く踏み込んで水をにじませるのは認められません。
また、ペナルティーエリア(池や川など)の中には「一時的な水」はありません。ペナルティーエリアにあるボールは、規則17の救済になります。
2. 泥がついたボールは、いつでも拭けるわけではない
雨の日は、フェアウェイのボールにも泥がつきがちです。でも「ボールはあるがままにプレーする」のが基本なので、ジェネラルエリアでは、泥がついたボールを勝手に拾い上げて拭くことはできません。
拭けるのは、たとえば次のような場合です。
- グリーン上:マークしてから拾い上げ、拭くことができる(規則13.1b)
- 規則に基づいて救済を受けるために拾い上げた場合(規則14.1c)
- ゴルフ場や競技が、ボールを拭くことを認めるローカルルールを出している場合
ローカルルール「プリファードライ(6インチプレース)」
長雨などでコースの状態が悪いとき、ゴルフ場や競技の委員会は「プリファードライ」というローカルルールを採用することがあります。R&Aのローカルルールひな型(E-3)では、ボールがフェアウェイの長さ以下に刈られた場所にあるとき、元の位置から決められた範囲内(1クラブレングス、6インチなど)で、ホールに近づかない場所に、1回だけ罰なしでプレースできる、とされています(出典:R&A 委員会の措置 セクション8)。
似たものに、ジェネラルエリアでボールを拾い上げて拭き、元の位置に戻すことを認めるローカルルール(E-2)もあります(出典:同上)。
ポイントは、どちらも委員会が採用したときだけ使えるルールだということです。範囲や適用ホールも決められているので、「今日はプレース可?」とスタート前に確認しておきましょう。ストロークプレーでは、ラウンドが始まってから途中で採用することは認められていません(出典:同上)。
3. ボールが地面にめり込んだら
雨でやわらかくなった地面では、ボールが自分の落下でできた穴(ピッチマーク)にめり込むことがあります。ジェネラルエリアでめり込んだ場合は、規則16.3に基づいて罰なしの救済を受けられます(一部の例外あり)。グリーン上でめり込んだ場合は、マークして拾い上げ、拭いて、損傷を直してから元の位置に戻せます(出典:R&A ゴルフ規則 規則16)。
4. 傘とレインウェア:自分でさすのはOK、人にさしてもらって打つのはNG
規則10.2b(5)では、日差しや雨、風などから身を守るために、キャディーや他の人、物を故意に位置させてストロークをしてはいけない、とされています。また、キャディーや他の人から物理的な援助を受けながらストロークをすることもできません(出典:R&A ゴルフ規則 規則10)。
一方で、プレーヤーが自分で雨から身を守ることは禁止されていません。規則では、レインウェアを着ることや、自分の頭上に傘をさすことが例として挙げられています(出典:同上)。
- 打つ直前まで、同伴者やキャディーさんに傘をさしてもらう:OK
- 打つ間も、人に傘をさしてもらったままにする:NG(違反は一般の罰)
- レインウェアを着て打つ:OK
雨の日の服装や持ち物は雨の日ゴルフの服装|季節別の選び方と持ち物チェックリストにまとめています。
5. 雷が鳴ったら:自分の判断でプレーを中断できる
規則5.7aでは、プレーヤーは落雷の危険があると合理的に考えた場合、自分の判断でプレーを中断できるとされています。ただし、競技ではできるだけ早く委員会に報告しなければなりません(出典:R&A ゴルフ規則 規則5)。
ゴルフ場が中断のサイレンを鳴らしたり、クラブハウスへの避難を呼びかけたりした場合は、その指示に従いましょう。ゴルフ場がプレーを止める判断の目安はゴルフ場の雨天中止の基準は?で解説しています。
よくある質問(FAQ)
Q1. 水たまりの救済は、ボールが水に入っていなくても受けられますか?
受けられる場合があります。ボールが水たまりの外でも、スタンスやスイングのじゃまになるなら救済の対象です。グリーン上では、パットのラインにかかる場合も対象になります。
Q2. バンカーが水たまりになっていたらどうなりますか?
バンカーの中で救済を受ける方法と、1罰打でバンカーの外に出す方法があります。細かい手順は、R&Aの規則16.1cで確認してください。
Q3. 6インチプレースは、いつでも使っていいのですか?
いいえ。プリファードライは、ゴルフ場や競技の委員会がローカルルールとして採用したときだけ使えます。仲間内のラウンドで使う場合も、スタート前に全員で確認しておくと安心です。
Q4. 雨でグリップが滑るとき、タオルを使ってもいいですか?
グリップやボールを持っていない手をタオルで拭くことは、ふつうの準備として問題ありません。ただ、打つときに人に傘をさしてもらうのは違反なので気をつけましょう。
まとめ:雨の日は「水たまり・泥・傘・雷」の4つを押さえる
- 水たまりは「一時的な水」。ボール・スタンス・スイングにかかれば罰なしで救済
- ぬかるんでいるだけでは救済されない
- 泥がついたボールは、グリーン上や救済時、ローカルルールがある場合などに拭ける
- 6インチプレースはローカルルールが出ている日だけ
- 傘は自分でさすのはOK、人にさしてもらいながら打つのはNG
- 雷の危険を感じたら、プレーを中断していい
ルールを知っていれば、雨の日のラウンドも落ち着いて楽しめます。それでも「さすがに今日は降りすぎ」という日は、無理をしないのがいちばんです。雨量の目安は雨のゴルフは何ミリまでできる?をどうぞ。
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